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言葉かけの作法

自分らしい生き方、応援します◆

アスク・ヒューマン・ケア(http://www.a-h-c.jp)メールマガジンより転載

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私たちは、焦ってバタバタしている人を見るとつい

「焦らないで、落ち着いて!」

と声をかけたくなるもの。

これを「間違い指摘反射」といいます。

人は誰しも他人の間違いを見ると、まさに反射的に正し

たくなるものなのです。

相手が危なっかしい行動をしていれば注意してあげたく

なるし、自分が知っていることを相手がわかっていなけ

れば教えてあげたくなります。

「そんなに飲んで……。もっと体のことを考えたら」

「おまえは甘いんだ。そんなことだから失敗する」

「考えてるって言うけど、ちっとも考えてない」

「気にしすぎよ。もっと気楽にしていればいいのよ」

こうした間違い指摘は、

「怒り」「防衛」「不快」「無力感」

という相手の反応を引き出すことがわかっています。

そのため、NGワードを多用するしかない状況では、

「何かあるたび、言い合いになる」

「よかれと思って提案することが、すべて拒絶される」

「話しかけても、無視される」

「相手がウソや言い訳ばかり繰り返す」

「そもそも、ほとんど会話がない……」

というパターンに陥りがちなのです。

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NGワードをOKワードに変えてみましょう。

たとえば相手が

「うるさいな、関係ないだろ!」

と言ったとき……

NGワードの例

「関係あるから言ってるんでしょ!」

OKワードの例

「そうか……自分で何とかしたいのね」

ポイントは、相手の感情や状況を観察し、想像して言葉

をかける「共感」のノウハウです。

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「共感」は、必ずしも相手の話に「私もそうなのよ~」

「それは確かにつらいよね~」「本当にそう思うわ~」

などと同意したり同化することではありません。

共感とは「相手への興味と関心を持って、相手のことを

想像する姿勢」のこと。

相手の気持ちや状態をぴったり言い当てようとしなくて

よいのです。違っていたら相手が訂正してくれます。

たとえば次のように、言葉をかけてみます。

「疲れているんだね」

「がんばっているんだね」

「今はそのこと、聞かれたくないのね」

「どうしたらいいか、ゆっくり考えたいということ……」

共感を伝える言葉を使うことで、相手との会話は変化し、

関係も変わっていきます。

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なかなか難しいことではありますが、

相手の心に寄り添って言葉かけの作法を変えるだけで、

問題の解決がはかれることもあります。




先日、闘病中の息子3から、
「お願いしたいことがあります」と、改まった口調で提案がありました。

はい、何でしょう?と襟を正してその先を聞けば、
「何か、家事を手伝わせてください」と言うことでした。

ありがたいなぁ・・・と涙がこぼれました。

心を病んで我が家に戻ってきて、6年。
やっと、私を「お母さん」と呼んでくれるようになりました。

母子関係のやり直しは、いつからでもできると、
自分のこの体験から、皆さんにお伝えすることができます。

相手の言うことをまずはすべて受け入れる。
それから、アドバイスが必要な様子であれば、ちょっと伝える。
こちらの言い分を押しつけることは、マイナスの効果しか生みません。

お母さん(私)・57歳。息子3・26歳。
ここから、やっと、新しい関係がスタートします。

もう、同じことの繰り返しにならないよう、肝に銘じるためにアップしておきます。





by sakura-saku-tiru | 2018-07-15 16:11

咲くのも散るのも美しく。60代の微妙な日々を前向きに綴ります。

by sakura-saku-tiru