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不思議な体験

もう6月になった。

なんとも、なんとも、不思議なことに、

手指の痛みとコワバリが消えて一月経過した。

原因不明のその症状が出現したのは、たしか、昨年の今頃。

体重減少とともに、それらの症状が現れて、
思い付く限りの診療科で検査をしても所見無し。

線維筋痛症、原因はストレス、と言われて途方にくれた。

その痛みとコワバリが、
4月23日の朝、ピタリと消えていた。

思い付くことは、ひとつ。

4月24日、こちらで一番大きな会場で朗読させていただいた

合唱曲「山に祈る」の主人公、誠くんが

凍傷で動かない手指の痛みを知らしめてくれて、

そして、1年に及ぶ練習を経てのゲネプロの朝、

もう、大丈夫、ちゃんと分かってくれた、

と、痛みを引き受けて、あの世に持って行ってくれた、、、

のだ。

かねてより、私は、
朗読とは自分をニュートラルに保って、
作者や主人公の降臨を待ち、
その媒体として言葉を発する行為と考えて取り組んできた。

痛みまで、体験したことになる?

そうとしか考えられない。

誠くんが、満足して成仏してくれたと信じたい。

この楽曲への出演オファーは、実は2012年にもあったが、お断りしていた。

この地で、震災と原発事故の直後に、山岳遭難の実話を演奏することにためらいがあったからだ。

でも、1年に及ぶ練習で分かってきた。

山で遭難した人も、災害で亡くなった人も、無念さは同じ。
その母親の悲しみも同じだと。

だから、山岳事故犠牲者、災害犠牲者、その他、無念の思いで亡くなった方すべての魂が救われますようにとの祈りをこめて、朗読させていただいた。

その結果としての痛みからの回復だと信じる。

誠くん、痛かったね、悔しかったね。
誠くんのお母さん、お辛さ、分からせていただきました。

一年間、おつきあいさせていただき、ありがとうございました。
次に上演させていただける機会がもしありましたら、
もう、痛みは結構でございます。
ごきげんよう。さようなら。


by sakura-saku-tiru | 2016-06-01 22:07

咲くのも散るのも美しく。60代の微妙な日々を前向きに綴ります。

by sakura-saku-tiru