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義母の通院。

義母は、加齢による膝関節の変形と軟骨の減少があり、

痛い、痛い、と、いいながら暮らしている。

痛いのは辛いだろうと思うから、一月か二月に一度、整形外科に連れていき、注射をしてもらう。

ほんの気休めの対症療法だ。

内臓はすこぶる元気でいてくれるのでありがたいが、
このままでは、膝は悪くなるばかり。

主治医に聞いてみた。

先生のお母様だったら、どうされますか?

すると、やっぱり。

人工関節置換手術をします、とのこと。

そうでしょうとも。
で、やるなら早い方がいいでしょう。
リハビリに耐える筋肉のあるうちに。
それから、心臓や腎機能の衰える前に。

義母は絶対に手術は嫌だという。
本人が嫌だというのだから、しかたがない。
もう、86才だし、もう遅いのかもしれないし。

車椅子をおしながら、広い病院の中を歩く。
同じように、車椅子を押されている患者さんとそのご家族がたくさんいる。

私は、そっと様子を観察する。

車椅子を押している家族が柔和な表情を浮かべていると、
ああ、きっと仲良く暮らしているのだろうなと思う。

ツンツン尖った顔の付き添いの方を見ると、
ああ、きっとこれまでにいろいろあったのだろうなと思う。

膝は変形したらもう良くなることはないのだから、
体力のあるうちに手術したらいいよ、と、そんな話し合いもできずに、今がある。

話はすれ違うばかり。
そのうちに、耳が遠くなり、ますますやりとりが困難になった。

義母の「嫌だ」を受け入れてきたけれど、
この先、どうなるのだろう。

にこやかに、車椅子をおすご家族を眩しくみながら、
たぶん私は、暗くツンツンした顔で、車椅子を押していたことだろう。

そして、車椅子の義母は、動けなくなっていく体を情けなく思って、私よりずっと不安だったに違いない。

本人が一番不安なのだ。
私は、せめて作り笑いでも、ニコニコと接してあげたい、、、と、思ってはみるが、、、はたして???
by sakura-saku-tiru | 2016-05-10 11:32

咲くのも散るのも美しく。60代の微妙な日々を前向きに綴ります。

by sakura-saku-tiru